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【耳をすませば】の考察! 伝えたいことやその後を解説

1995年に公開された「耳をすませば」は、ジブリの中でも一味違った作品。

ジブリ作品の中でも「耳をすませば」が一番好きという人も多いと思います。

「耳をすませば」はなぜ、私たちを魅き付けるのか? 他のジブリ作品とどこが違うのか? また作品の伝えたいことやその後を考察し解説しました。

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「耳をすませば」作品概要

耳すまの簡単な短いあらすじとスタッフをご紹介します。

あらすじ

中学3年生の雫は、読書が大好き。ある時バイオリニストを目指す聖司君に出会い、刺激を受けます。自分も何かに挑戦したいと処女作を書き上げることで、自分はもっと勉強が必要だと気が付くのです。

あらすじ
「耳をすませば」あらすじネタバレあり!

スタッフ

原作

耳すまの原作は、柊あおいの原作漫画「耳をすませば」、1989年にりぼんに掲載。

 
1900年 集英社りぼん
耳をすませば
柊あおい

監督

脚本は宮崎駿、監督は近藤善文監督。

「耳をすませば」人気の秘密を考察

耳すまがなぜ私たちを魅き付けるのか? 人気の秘密を考察します。

少女コミック初のジブリ映画化

ジブリ映画の中、少女コミックを原作にした作品は、この耳すまが初めてだとか。

耳すまの少女コミックをジブリ映画化したいと思ったきっかけのエピソードが面白いのでご紹介します。

宮崎駿監督が過ごした別荘には、電話も、新聞も、TVもなかったそうです。当然現在のようなパソコンもスマホもありませんでした。

その別荘にはめい達が残していった少女コミックがあり、ヒマだったので読んでいたことが始まりだそうで、その中に柊あおいの「耳をすませば」の漫画があったんだそうです。

現在では、ジブリ作品の中に少女コミックを原作とされる作品があることは当たり前のことかもしれませんが、それは結果論ですよね。

少女コミックの実写映画化は、現在では当たり前に行われています。

でも少女コミックのアニメ映画化って行われているのでしょうか? 調べてみたけれど余りないのではないでしょうか。それだけ当時は新しい試みであったことが分かりますね。

原作が柊あおいの少女コミック

原作である漫画「耳をすませば」の作者が、りぼんに人気少女漫画を描いていたあの、柊あおいであることも大きいでしょう。

 

柊あおいとえば、1985年から1989年にかけて描かれた大人気少女漫画「星の瞳のシルエット」を描いた漫画家。

1980年代中頃から後半にかけて小学生や中学生だった女の子は誰もが「星の瞳のシルエット」に夢中になったはず。

管理人も滅多に漫画本を親に買ってもらえなかったけど、「星の瞳のシルエット」だけは買ってもらえました。

当時、小学校高学年から中学生、高校生の女の子には、学校を舞台としたの恋愛コミックが大流行していました。

当時の少女コミックの定番といえば、毎日通う学校を舞台としたラブストーリー。隣のクラスの○○君が、あの部活動をしている○○君がかっこいいというようなまさに中学生&高校生の日常や恋愛を描いた作品です。

誰もが学校の休み時間やお家で少女漫画を読んでいましたよね。

耳すまを見た方が作品に魅かれるのは、りぼん全盛期の少女コミックの世界感が耳すまの中に描かれているからでしょう。

近藤善文監督唯一の作品

これまでジブリ作品は、宮崎駿監督と高畑薫の2名の監督でやっていました。

耳すまの注目すべき点は、ジブリの作画監督を務めていた当時45歳の近藤善文監督が抜擢された点で、今までのジブリ作品とはタッチや印象が異なる作品になっています。

しかし近藤善文監督は残念ながら48歳という若さで病気によりこの世を去ります。

そのため近藤善文監督の作品はジブリ作品のなかでも耳すまのみとなっています。

もし近藤善文監督が生きていたら、その後も何作もジブリ作品の監督をされていたに違いないと思います。

宮崎駿が描きたかったことを解説

宮崎駿監督曰く、「原作にすこやかに、素直に描かれた出会いへの憧れと、純な思慕の念が、青春の重要な真実である」と言っています。

そのすこやかであることの素晴らしさを表現したいと、後に語っています。

昔女の子だった子たちにとって、中学生や高校生の学校を舞台とした作品は、親しんだ少女コミックの世界。

しかし管理人は思うんです。少女漫画は元少女によって描かれてれていて、多分男性の書いた少女コミックってないですよね!?

少女コミックって別に男性の読むものじゃないし、女の子の兄弟がいた場合は一緒になって読むのではないかなというイメージ。

そういった少女コミックを男性がどう読むのか分かりません。男性からすると、女性の心理にいい加減にしろよ!!と突っ込みどころが満載であるかもしれませんよね。

当時の少女コミックの学園物の世界感をそのままアニメ映画化したら、当時少女だった今は大人の女性も恥ずかしくって見ていられないかもしれませんね。

その少女コミックの世界を男性の視点でもう一度作り直した作品なのかもしれませんね。

「耳をすませば」伝えたいことを考察

「耳をすませば」の伝えたいことを考察しました。

一般的な中学生の悩みを描く

ジブリ作品は、10代の女の子が主人公である事が大半ですが、多くの場合、普通の女の子なんかではなく、人を助けるヒーローだったり闘う少女だったり、空を飛んだりして全然普通の少女ではない特別な女の子ばかり。

「耳をすませば」の魅力は、ごく普通の中学生の女の子が未来への希望と、進路に悩む日常を描いているところ。

そのため映画を観ると自分の中学生くらいの頃の気持ちを思い出し主人公の雫に重ねた方も多いはず。

主人公の雫は、めちゃ成績優等生とか、めちゃ美人とかのタイプではなく、わりと素朴な印象を与える子。そのため私たち大半の標準の女の子だった女性に共感されやすいのです。

主人公が文学少女で小説家を夢見ている

主人公の雫は、お父さんが図書館司書として働いていることもあり、子供の頃からいろいろな本を読んできた経験もあり本を読むのが好きで、将来は小説家になれたらなんて思い描いています。

管理人も、子供時代は本を読むのが好きだったこともあり、恥ずかしながら小説家に憧れたこともありました。

でも自分で小説を書いたりしたことは一度もありませんよ!! でもそういった意味で主人公の雫に共感しやすいんです。

東京の郊外に住む10代を描く

主人公の雫は、聖蹟桜ヶ丘(せいせきさくらがおか)というところに住んでいます。

聖蹟桜ヶ丘は、新宿駅から約30分で、東京にも行けて地元に住む人も多く商業施設も充実している地域。

耳すまを描くにあたって、「都会生まれの人間にとってのふるさとを描く」というのがあったとか。

そのため、お父さんは東京にお勤めで通勤1時間以内の郊外に住んでいた方にとっては、主人公が住む街は、自分が子供時代過ごしたふるさとの街と多くの場合に通っているのでしょうね。

管理人は、都会生まれの人間ではないので東京の郊外には住んだことはないです。

しかし、東京の郊外の商業地域には休日よく遊びに行っていたので、商業施設がいっぱいあって、人がいっぱいいて、いろいろなものがすぐ手に入る場所という憧れがあります。

そのため管理人から見る、雫の住む街は、商業施設が沢山あってほしいものがすぐ手に入り、人も沢山いていろいろな人に出会える世界で生きる雫は、少しうらやましい気もしますね。

街の人々との交流

雫が、学校や、お父さんの働く図書館や、聖司くんのおじいさんが経営する地球屋などを通じて様々な世代の人々と生で交流して成長していくお話です。

管理人が中学生のころ、そんな街中の交流は経験がありませんが、自分がこんな中学生時代を送れたらなと感じられる作品。

自分が悩んだりしたとき、自分の住んでいる近くに多くの人が住み人生があるということを、そこに接することで豊かな人生が送れるということを伝えたいのではないかと考察しました。

同級生の男の子がバイオリン職人を目指す

そこに中学生でありながらもうすでに将来の道を決めた聖司くんが現れます。中学生で将来を決めた子!?

実際、中学生くらいに看護婦さんになりたいとか目標を持っている子をすごいなと尊敬の気持ちを抱いたこともあります。

そんな中学生のころの未来へのキラキラした気持ちを作品を通じて思い出して欲しいということを伝えたいのだと考察しました。

受験より処女作を優先

耳すまの中で管理人が一番好きなシーンが、主人公の雫がバイオリン職人を目指す聖人君に影響を受けて自身もまた処女作を書き上げようとトライするところです。

でも時期はもう中3。家族はそんな雫をはらはらしながら見守っているんですね。受験勉強しなくていいの? どうしても今やらなくちゃいけないのと答える雫。

近藤善文監督曰く、自分の青春に悔いを残している部分と、自分の父親の部分両方を投影しているのだそう。つい自分の子供たちにも勉強しなさいって言ってしまうが、子供を信頼できる法の親を描いているんだそうです。

2人のその後を解説

耳すまのラストの方では、バイオリン職人を目指す聖人が雫に「オレと結婚してくれないか?」と告白します。

見ていた方が誰もが疑問に思ったことでしょう。中学生くらいの子がいくら恋愛していたからって、結婚という言葉を口にするのか? 考えるのかと。

しかし20歳くらいまでに結婚する場合、相手が中学生の同級生というのはときどき聞く話ですよね。なので中学生で好きだった異性と結婚するのは珍しくない話ではあります。

聖人と雫は、中3時代のお互いの気持ちをずっと心の中に持ちながら、将来は結婚へのゴールと進むのでしょうか。

幸せな時間

幸せな時間―耳をすませば りぼんマスコットコミックス 841 柊 あおい

「耳をすませば」の続編が、柊葵原作の漫画、幸せの時間でも描かれています。

ただこれは2人の最後の夏休みを描いた作品で、高校以降のことは描かれていないんですね。

実写映画

2020年には、「耳をすませば」の10年後のストーリーが描かれます。アニメ映画は15歳という設定でしたので10年後は25歳でもう十分な大人になった2人。

月島雫役を清野菜名、天沢聖司役を松坂桃李が演じます。

聖人君はイタリアにバイオリン職人の修行に行っていたくらいなので、その道を極めるはずだとは思いますが、雫はどうなのでしょうか?

雫もまた自分の夢を追っていました。そして、2人は再会します。結末は映画を観てからと言いたいところですが、ネット上で既に公開されているので隠す必要はないので話しちゃいますね。2人はハッピーエンドになるのでご安心下さい♥

フィルムコミックで耳すまの伝えたいことを再確認!

どこか懐かしい印象を与える耳すま。

耳すまの伝えたいことをもう一度ご自身の眼で再確認してみたい方は、映画のオリジナルフィルムをそののまんまオールカラーコミック化したジブリの「フィルムコミック」を読むのがおすすめ。

スマホアプリで手軽にラピュタを読むことができますよ。

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