【借りぐらしのアリエッティ】伝えたいことを考察

2010年に公開された「借りぐらしのアリエッティ」は、米林宏昌監督作品。

「借りぐらしのアリエッティ」は、ジブリのメイン監督である宮崎駿・高畑薫監督以外が担当した作品の中で、管理人が一番好きな作品です。

借りぐらしのアリエッティで、米林宏昌監督が大抜擢された背景や、アリエッティの伝えたいことを考察します。

「借りぐらしのアリエッティ」作品概要

あらすじ

人間の住む屋敷に暮らし小人のアリエッティは、ある日父と屋敷に狩りに出かけます。そしかし間の少年に見つかってしまいその屋敷を離れることに。

小人は人間の屋敷に借りぐらししていますが、人間もまた見方を変えれば地球や自然に借りぐらししているのです。

大きな視点で見れば所有していると思っているモノも借りているのかもしれませんね。

「借りぐらしのアリエッティ」のあらすじネタバレを解説

スタッフ

原作

70%offクーポン使用可
2000年 岩波少年文庫
床下の小人たち
メアリーノートン
616円⇒16円

監督

米林宏昌の初めての監督作品。

その後2014年「思い出のマーニー」で2回目の監督も務め、現在では米林氏のアニメ映画を作るために立ち上げたスタジオポノックでアニメ制作。

2023年公開「君たちはどう生きるか」(宮崎駿監督)でも制作協力している。

「借りぐらしのアリエッティ」伝えいたいことを考察

「借りぐらしのアリエッティ」は一種のパラサイト物語!? 作品の伝えたいことを考察しました。

パラサイト物語

「借りぐらしのアリエッティ」は一種のパラサイト(寄生)の物語ではないでしょうか。

アリエッティ小人家族は、人間と比較すると身体が異常に小さいので人間の家や、食べ物を失敬して借りて生活しているのです。

しかし、例えばありんことか虫に例えると同じかもしれませんね。どの家にもありんこや虫などはいますよね。そのような動物は人間の食べ物を失敬して生きているので、小人のアリエッティと同じということになるでしょう。

人間もパラサイト

しかし視点を変えてみるのなら人間もまた地球や森にパラサイトしていると見ることがでいるのではないでしょうか。

確かに人間は、自分の力で狩りに出かけたり、飼育したりして命を頂いています。

私たちは自分の力で家を立て食物を作っていると思っていますが、視点を変えるのなら地球やどこに生きる動物から場所や食べ物を失敬しているともいえるのです。

しかし、小人のアリエッティと人間が異なる点があります。

小人は人間の屋敷に住み衣食住を失敬していてつつましやかに生活しています。

一方人間の場合は、パラサイトしている地球や森を焼き払ったり他国と戦争をしたりして所有物を増やす傾向にあるのではないでしょうか?

そんな、人間中心の物の見方から視点を変えてみる面白さを伝える作品だと考察しました。

共存しえない関係

作品を見ていると、小人のアリエッティと少年の翔は友人になったのだから人間と小人が共存できるのではないかと期待した観客は多いでしょう。

しかしやはり、人間に悪意はなくても小人は人間界で好奇のさらされてしまうために共存できないという結論に至ります。

米林宏昌を監督へ大抜擢した背景とは

ジブリ作品とは皆さんご存じのように、宮崎駿や、高畑薫が監督として作る映画を製作するアニメ映画制作会社です。

しかし、高畑薫監督は2018年に亡くなっていますし、宮崎駿監督も今は高齢に。

スタジオジブリの未来を考えた時、ジブリ内で若く新しい監督の起用が必要になり、そこで大抜擢されたのが米林宏昌だったのです。

では米林氏は、社内ではすごく優秀な人材として有名だったのでしょうか。

宮崎駿監督はこう語っています。

スタジオジブリでは、次々と野心を持ってて、あたらしいものを作りたい人間たちが、自分たちのスタジオから排出してくるはずだったんだけど、全然輩出してこないほかの世界にもいるかといったら、どうもあんまり輩出してないんですよね。で、店を畳むわけにいかないってことになると、誰か見つけなきゃいけない。

(ジブリの教科書16 引用)

そこで社内のアニメータースタッフである米林氏が浮かんだんだそうです。

宮崎駿監督の言葉を一言でまとめると、そんなにすごい奴って訳でもなかった、ということになります^^;。

しかし、アニメーターになりたい人たちにとってはスタジオジブリで働くことは、超々々難関ですよね!? その中でひと際際立つ才能を持っていたのが米林氏だったのでしょう。

よく大きな才能のある方は、自分で会社を作ってもよい若手や人材がいないと嘆くことが多くないでしょうか。

管理人自身、普通に会社員として働く中で、一代で会社を作り上げた人などからそのような話を聞くことがありました。

そんなセリフを聞きながら毎度思ったものです。「そもそもあなたのレベルで仕事をこなせる人はいないでしょ。あなたは異常なのよ」と。

なので相手に対して求める基準値が、ほぼ自分レベルになるのでいい人材がいないということになるのではないかと考えます。