「君たちはどう生きるか」は、宮崎駿監督の遺言的な作品です。
管理人は好きな作品ですが中には「気持ち悪い」という感想を持った方もいるようです。
管理人は「気持ち悪い」と思ったという感想を意外に感じたのですが、確かに作品中の部分部分においては、不気味で不快な印象を抱く部分がいくつかありました。
作品の中の部分部分において、不気味で不快な印象を抱いたために「気持ちが悪い」という印象を抱いたのでしょう。
「君たちはどう生きるか」の気持ち悪いと感じられる場面をまとめてみました。
Contents
「君たちはどう生きるか」気持ち悪い場面
「ポスター」
「君たちはどう生きるか」では事前の宣伝は行われずに、ポスターが公開されました。
ポスターの絵柄は一言で言うと単なる鳥で、アオサギなのですが、鳥のくちばしの中に目が入っていますよね。しかもその目が厳しい目つきです・・・
ポスターを見た時、単純に「怖い、、」と感じました。それがちょっと気持ち悪いという印象を与えた可能性も。
「妹との再婚するお父さんの感覚」
主人公の母親が戦争で亡くなり、その後父親は亡くなった妻に瓜二つの妹と再婚します。この感覚が現代ではありえずに「気持ち悪い」と感じたのでしょう。
「顔が好きだったので、顔が同じ人と再婚して亡き妻を重ねたい」そう思ったのでしょうか。
仮に妻の顔がとても好きだったとしても、同じ顔の人と結婚するのは、現実を受け入れられない不健康なことだと思います。
そんなことを新しい妻に求める旦那さん気持ちが悪いと感じてしまうのです。
でもこの時代は戦後で、結婚はお見合いが多く、家柄が良い設定なので家同士の結婚と考えられ、新しい奥さんは妹ということになったのではないかと。
「鳥のアオサギの顔」
主人公を下の世界に連れ込む友人としての役として、アオサギがいますが、人間のようにしゃべる設定なので人間の顔がついているんです。それがポスターのくちばしの中の顔になるのですが。
そもそも鳥のくちばしの中に人間の顔が入っているという発想が気持ち悪い訳です。さらに顔が全然かわいくなく、おやじであり、こわいんですよね。その辺が気持ち悪いと感じた点ではないかと。
ただ作品としては、悪の入り混じる世界をどう生きるかという問いかけなのでアオサギの顔がハンサムだと説得力に欠けるため、コワいおやじ顔になっているのではないかと。
「作り物の夏子」
主人公を下の世界に呼び寄せるために、アオサギは、主人公の大切なお母さんの偽物を作り仕立て上げます。しかし主人公がふれると解けて崩壊してしまうのです。
そもそも主人公を呼び寄せるために、最愛の母親の作り物を作るという点で気持ちが悪いですよね。この点においてアオサギは悪意を持っているともいえるわけです。
「魚を捌くシーン」
主人公が下の世界に迷い込んだ際に、巨大な魚を捌くシーンがありそれがとても生々しいです。
人が生きるためには生きた動物を食べて生きなければならない。そのために生の動物を裁く生々しいシーンを入れたのかもしれないですが、普段見慣れていないのでとにかく気持ち悪いです。
ただ作中で動物が死ぬシーンで気持ち悪いのはさいわいこのシーンだけでした。
「石を積むシーン」
下の世界を作り上げた叔父さんは、下の世界で13の石を積んでいました。石を積むというと日本時なら、賽の河原で石を積むシーンを思い浮かべるのではないでしょうか。
このおじさんは何か悪いことをして罰として下の世界の闇で石をずーーーっと積んでいたのではないかと想像し気持ち悪くなりました。
幸い、叔父さんは別に罰ゲームで石を積んでいたのではないのでホッとしましたが。
「叔父さんが幸せに見えない」
叔父さんは「下の世界」を作り上げそこで生き続けて時間が経ちました。
叔父さんは地上を諦めて下の世界に行き場を求めたのですが、その世界がどうも苦行のように思えて幸せに見えなく感じ、終わりのない不幸、地獄を見せつけられているようで気持ちが悪いと感じました。
まとめ
「君たちはどう生きるか」は部分的に見ると気持ちが悪いというのは確かにあると思いました。
作品自体は「君たちはどう生きるか」というタイトル通り、私たちにどう生きるか問いかける作品です。
善と悪の入り乱れた人類の末をを思うと嫌気がさすような地上を諦め、下の世界に生きることを選んだ大叔父さま。
その大叔父さまが主人公や観客に「どう生きるか」を問い掛ける作品。そのため、社会の闇から問いかけるという手法を取っていることから暗い場面や気持ちが悪いと感じられる場面がいくつかあると言えるでしょう。
ただ「君たちはどう生きるか」は決して暗い作品ではなく、キャッチコピーの「友だちを作ります。」といったような明るいポジティブな未来を予想できる終わり方になっています。