「ジブリの教科書」とは、文芸春秋から出版されているジブリの解説本シリーズ。
ジブリアニメ映画は全24作品ありますが、そのうち全20巻の「ジブリの教科書」が出版されています。
「ジブリの教科書」では、美術、原画、仕上、録音演出、音楽などを担当した方ジブリ制作秘話を明かします。
また監督だけでなく、豪華な声優陣や、作品に合うピッタリの著名人が寄稿。
Contents
「ジブリの教科書」で分かるジブリの歴史
ジブリスタジオでは次々に大ヒットアニメを飛ばしてきたような印象を受けます。
しかし、「ジブリの教科書」を読むと、今は当たり前のように行われているアニメの手法、宣伝方法、声優陣やら、音楽やらが、当時は非常に新しい手法であったことが分かります。
ジブリアニメの多くの作品が大ヒットを飛ばし続けた背後には、製作者やプロデューサーの挑戦の記録でもあったのです。
ジブリスタジオの歴史は、自ら打ち立てた記録を自ら打ち破る歴史でもあったことが分かります。
「ジブリの教科書」全20巻まとめ
ジブリ全24作品中、「ジブリの教科書」(文芸春秋)は、現在20作品出版。
以下の作品は出版されていません。(猫の恩返し、レッドタールのある島の物語、アーヤと魔女、君たちはどう生きるか)
風の谷のナウシカ
ジブリ第1作目「風の谷のナウシカ」は今から約40年も前の作品。第3次世界大戦が起きたらどうなるかを描いた映画としても恐らく上位に位置する名作。ナウシカの制作秘話をご覧ください。
天空の城ラピュタ
ジブリを一躍有名にした冒険活劇アニメ「天空の城ラピュタ」の制作秘話。作品に出てくる強烈なキャラクター海賊ドーラのモデルは? 宮崎駿監督のご兄弟のインタビュー付。
となりのトトロ
宮崎駿監督曰く、「トトロは懐かしさからから作った作品じゃない」んだそうです。
管理人は昭和52年生まれですが、監督は35歳近く上なので、普通に描いた景色や子供たちの言動が私にしたら懐かしいと感じられてしまうのだと思います。
私たちがトトロを見て癒されるのは、私たちの原風景が描かれているからでしょう。子供時代暗がりが怖かったですよね。そこにはすすわたりがいるかもしれませんよ。
火垂るの墓
ジブリスタジオ3作目となる「火垂るの墓」は、2作目までの冒険活劇から一転して、人間ドラマを描きジブリ作品の大きな転機となった作品だそう。
原作者野坂昭如へのオリジナルインタビュー付き。
管理人は、ジブリ作品のジブリの教科書を全話読みましたが、「火垂るの墓」が一番一気に読めてしまいました。
なぜだろう?? やはり、戦争の中で無力な2人の子供たちの話は、誰にとっても戦争の悲劇として印象深く残っている作品だからでしょう。
魔女の宅急便
魔女宅はスタジオジブリ第5作目に当たり、スタジオ存続のために成功させる必要があったなどのエピソードもあります。
おもひでぽろぽろ
ジブリ作品の中で管理人が好きな作品の一つ。主人公のタエ子になぞらえて自分の人生を反復します。作品の売りの一つ出る声優柳葉敏郎のインタビュー付。
紅の豚
「紅の豚」は、機内上映用の小作品として企画されたという秘話が掲載。
また映画の中のジーナ役の声優や歌を担当した加藤登紀子と宮崎駿監督のコラボもあり。両者とも同じくらいの世代のため、2人の生きた時代背景に意気投合するインタビューも面白いです。
平成狸合戦ぽんぽこ
変化する狸が魅力のぽんぽこ。映画を完成させるための監督の七転八倒機が面白いです。
耳をすませば
「耳をすませば」は、ジブリ初の少女漫画のアニメ映画化であり、近藤善文監督作品。
「耳をすませば」は、故近藤善文監督のジブリ作品の中での最初で最後の監督作品。そんな故近藤善文監督や、原作漫画を描いた柊あおいのインタビュー付き。
もののけ姫
もののけ姫の魅力はなんといっても、スケールの大きさと豪華な声優陣。ジブリの超大作をつくまでを追います。
ホーホケキョとなりの山田くん
あの朝日新聞に4コマ漫画を原作とした映画。ジブリ作品の中では興行的には低い作品になってしまいました。。
千と千尋の神隠し
ジブリ作品&日本映画史上NO1のヒット作品なった経緯や、美術、原画、仕上、録音演出、音楽などを担当した方ジブリ制作秘話を明かします。
「千と千尋の神隠し」は、宮崎駿監督が知り合いの10歳の少女に向けて作ったというエピソードなどもご紹介。
余りにヒットし過ぎて、他の映画の上映を圧迫してしまった話なども。
ハウルの動く城
「千と千尋の神隠し」とは真逆に宣伝を極力しない宣伝方法で、観客に真っ新な状態で楽しんでもらう方針へ。結果的にジブリ作品のベスト3作品へ。
ゲド戦記
宮崎駿監督の息子、宮崎吾郎監督のジブリ初作品。吾郎氏がどのような思いを持って作品に挑んだのか? 興味ありますよね。
崖の上のポニョ
ポニョの制作秘話。横尾忠則さんの解説が乗っているのがおすすめ。
借りぐらしのアリエッティ
アリエッティは、初の米林宏昌監督作品。米林宏昌氏が監督に選ばれた経緯とは?
風立ちぬ
ジブリ作品には宮崎駿監督が好きな飛行機がたびたび登場。「風立ちぬ」は第二次世界大戦で開発されたゼロ戦を作った技術者の一生を描く。
「風立ちぬ」製作時には70歳を超えていた宮崎駿監督が、作品公開後長編アニメ制作からの引退を発表。ただしこの発表は飽くまで長編からの引退表明だった。
しかし2023年最新作の「君たちはどう生きるか」の監督を行っており実質的には最新作が引退作品となる可能性も。
かぐや姫の物語
「火垂るの墓」を監督した高畑薫の最後の作品。高畑さん好きには貴重な一冊。
思い出マーニー
2013年に公開された「風立ちぬ」では、70代だった宮崎駿監督は長編映画の制作からの引退を宣言。
「思い出のマーニー」では、若手監督を中心とした新制作体制の編成が行われ、アリエッティに継ぎ米林宏昌氏が監督に選ばれた。
宮焼駿監督の意見により、イギリスが舞台の作品を日本が舞台の作品に置き換えて作られた。
ちなみに米林監督は女の子を描くのが得意だそうで、他のジブリ作品も大半が少女が主人公ですが、米林氏の描く少女は宮崎監督とは違った印象を受けますね。