1992年のスタジオジブリ作品「紅の豚」には、宮崎駿監督ご自身が、月刊モデルグラフィックスに連載した漫画「飛行艇時代」が原作となっています。
原作漫画「飛行艇時代」は15ページの小さな作品で、アニメ映画「紅の豚」は原作「飛行艇時代」の内容に、登場人物やストーリーを追加した作品になります。
実は、原作漫画「飛行艇時代」が、掲載された月刊モデルグラフィックス2023年12月号で再掲載されました。
ご興味がある方はぜひ購読してみてくださいね。
「紅の豚」の原作漫画「飛行艇時代」
「紅の豚」は、月間モノグラフィックスとは、車、船、模型などについてマニアックな特集を行っいる雑誌で、男性向けと言えるでしょう。
原作漫画「飛行艇時代」
「紅の豚」の原作は、1990年3月、4月、5月号に3回にわたり掲載されていた「飛行艇時代」。
1990年3月、4月、5月号に3回にわたり月刊モデルグラフィックスに掲載されていた「飛行艇時代」は、ジブリ最新作「君たちはどう生きるか」公開記念として2023年12月号に再掲載されました。宮崎駿監督のインタビューも掲載。
あらすじ
「飛行艇時代」のあらすじは以下のとおりです。
1920年台が舞台。多くのパイロットが空賊となってアドリアエーゲ海一帯を荒らしまわっていたとことからはじまります。空賊のマンマユート団は、人質として美少女をさらっていました。
そんな空賊狩りで賞金をもらう仕事としているのがポルコ。ポルコの乗る飛行機はイタリア製のこだわりもの。
ポルコはさらわれた女性を救い出します。
しかしそのあとポーロを狙う他の敵に撃たれて飛行機がボロボロになってしまいます。
知り合いの飛行機職人のところを修理を出したところその娘さんに修理をしてもらい、最終決戦に挑むのでした。
決戦の当日、飛行機同士の闘いは引き分けと見えたが、第2ラウンドは素手で闘うことになりポルコが勝利することになりました。
原作のアニメの違い
というように「紅の豚」アニメ映画と原作漫画の内容はそのまま同じです。
アニメ映画と原作では以下の点が大きく異なっています。
- ポルコの恋愛相手である歌手のジーナは出てこない
- そのため加藤登紀子が演じるジーナの歌の場面はない
- ゆえにジーナの過去の男遍歴は出てこない
- 原作のヒロイン役は飛行機を修理したフィオピッコロでポルコとフィオは両想いになる
- ポルコが「なぜ豚になったのか?」というテーマは描かれておらず、もともとのキャラが豚でそれ以上の意味はない
アニメ映画製作に当たっては、原作漫画「飛行艇時代」は全15ページと短い作品のため、登場人物やストーリーが追加されているのです。
原作でのポルコは、海風に当たりながら、のんびり過ごし、たまに依頼があれば空賊をやっつけ大金をゲットするといういわゆるギャンブラーみたいな生活をしているかわいい豚の顔をした自由人として描かれています。
アニメ映画でも、ポルコは自由人でギャンブラーみたいな生活をしている男として描かれていますが、さらに戦争や人間社会が嫌になり豚になったのではないか? と言った反権力的な人物として描かれています。
原作にはポルコが「なぜ豚になったのか?」というテーマは描かれておらず、映画化されるにあたり、ポルコの戦争嫌いや、内面性、主義などをより深く描くために、取り入れられたと考えられます。
原作「飛行艇時代」は男性向け?
宮崎駿さんは、軍事関係のこと、航空母艦、航空戦隊、飛行機などが好きなんだそうです。
確かにジブリの宮崎駿さんの作品では、主人公が飛行機などで空を飛ぶ作品が多いように思います。
「風の谷のナウシカ」ではナウシカが飛行機で自在に空を飛んでいますし、「魔女の宅急便」でもキキも飛行機ではないけどほうきで空を飛んでいますよね。
でも軍事関係が好きというのは、男性ならではだと思いますね。女性で軍地関係が好きというのはいないからです。
女性でメカが好き、飛行機が好き、戦争物が好きとかそういうのあまり聞かないですよね。実際管理人もそのようなことを考えるのは全然好きじゃないんです。
なので「紅の豚」は、男性向けなのかもしれないと感じます。
「飛行艇時代」では、「紅の豚」の原作漫画15ページだけでなく、舞台となった1920年ってどんな時代だったのかも特集されています。
アニメ映画をみて、そもそも1920代のイタリアのイメージが分からないという方が大半だと思います。世界のヨーロッパの飛行機時代ってどんな感じだったのか興味がある方は、その付録もおすすめです。
宮崎駿監督の飛行機へのマニアックな思いに触れることができ、ジブリ作品への理解もより深まるかもしれませんね。